勝手にハニーキス



「とにかく!! これ以上変な噂が立たないようにしてよね」



明日香の言葉に分かった、と頷くと頼りなさげに自分の席へと戻っていく拓斗と歩。



自慢のふんわりしたヘアセットが寝癖に見えてしまうぐらい、拓斗の心の中は衰弱していたりするのだがそれは誰も知らない話で……。



二人が去ったのを確認すると



「さっきの聞いた?」



明日香の言葉に静奈は小さく首を縦に振る。



「試してみたいって……信じられないよ」



あの真面目そうなセンパイだから、きっと強引に連れて来られたに違いない。



これまでは私の存在すら知らなかったハズの沼田センパイ。



「ね、これってさ。ある意味チャンスじゃない?」



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