勝手にハニーキス
が、しかし。
「何かお客さん増えてない?」
「お客さんって……そんな言い方しないでよ」
そう、教室を見に来る明らかに昨日よりも増えたギャラリー。
「本当にヒマだよね、みんな」
明日香は隣の席でそう言いながら足をぶらぶらとさせて1限の準備をしているけれど、静奈にとってはそれどころではない。
「どうしてこんな……」
今更拓斗を恨んでみても始まらない。
そして、それは噂に留まる事無く……これまで静奈のファンだった男達が行動を開始しないハズが無い。
今や彼女は、ただ可愛いだけじゃなく、誰もが手に入れてみたい注目ナンバーワンの生徒なんだから。