勝手にハニーキス
憧れているだけだからいいと思った。
こんな風に近付く日が来るなんて、想像もしなかった。
焦る静奈に沼田はゆっくりと近付いて……そして、その白い指先でそっと涙を拭った。
真面目な顔をして、メガネの奥には優しい瞳が揺れていて……見つめられるだけでもう全身に力が入らない。
これは……夢?
傷付いた私へ、神様からのご褒美?
そうとしか思えなかった。
だって、確かに聞こえたから。
沼田の口から紡がれた言葉。
「君に……興味があるんだ」