勝手にハニーキス



一人勇気を振り絞って明日香は上級生のクラスを目指す。



静奈がいないのは寂しいし怖いけど、大好きな親友の為に何かせずにはいられなかった。


臆病な自分がこんな状況で、自分ひとりの力で静奈を助けるなんて事……とても出来ない。



だけど……あの人の力を借りたら。



うまくいくような気がするんだ。



だって言ってたよね?



試してみたいって。



昨日は偶然メールを交換したって……。



ガラガラっと大きな音を立てて、目的の教室の扉を開くとそこにはちょうど戻ってきた沼田の姿。



「君……どうしたの?」



緊張で顔を真っ赤にしながら



「沼田センパイに話があるんです」



搾り出した明日香の声に、クラス中が告白かと湧き上がる。



「いや、あの……違くて……」




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