勝手にハニーキス
いつの間にか自分に向けられた好奇の視線に気付き、明日香は慌てて首をぶんぶんと振る。
「沼っちゃん、相変わらずモテるね~」
そんな、刺さるようなセンパイ達の言葉に顔を上げる事の出来ない明日香。
やっぱり一人で来たのは間違いだったかも……と後悔ばかりが胸に渦巻く。
その場から動けなくなってしまった明日香に沼田は
「とりあえず、廊下出ようか。ここじゃ話も出来ないし」
そう言って肩を軽く押すと外へと連れ出す。
そこには、静奈が見た王子様な沼田の顔しか存在しない。基本可愛い子には親切に。
そんなモットーを明日香が知るはずも無く……。