勝手にハニーキス
「みたいなもんだけど……」
首を縦に振った拓斗に静奈は溜め息を一つ。そして……
「それは……ただの噂なんだよね?」
「お前の噂とはレベルが違うんだって!!」
更にセンパイを悪く言おうとする拓斗に、静奈は信じられない……といった表情を見せる。
人を噂で巻き込んだあげく、そんな中なぐさめてくれた優しい憧れの人の事を悪く言われているのだ。
無理も無い。
そもそも、何の関係もない拓斗が何でセンパイの事をこんなに知っているのか。
胸に募る不信感。
「もう帰って!!」
拒絶する静奈に、最後の駆けとばかりに拓斗の声が響く。
「だったら確かめようぜ?」