勝手にハニーキス

あの日、拓斗との別れが決まった日。朝までわんわん泣いてたっけ。



自分だけを見てくれてない気がして、今よりももっと臆病だった自分に自信が持てなくて。



そんな話をした時、案外あっさりと別れをOKした拓斗にもまた傷付いた。



必死に悩んだのに、彼にとってはそんなに簡単なものだったのって……だからまた涙が溢れた。



一緒にいる時はあんなに楽しかったのに、二人の間にはそんなに温度差があったの？って落ち込んだ。



あの頃の拓斗が、静奈の気持ちを優先して唇を噛んでいたなんて……知らなかった。