不思議な喫茶店

彼は、本当に普通の高校生だった。

何かはっきりとしたものに不満や怒りなんかがあった訳じゃない。

両親とも弟とも友達とだって不仲だったり、険悪だったりしていなかった。

だけど、ある日プツンと糸が切れた感じがした。

突然何もかもどうでも良くなった。

ある日、授業をさぼった。

それが、きっかけ。

1日中公園にいたり、学校の屋上でぼーっとしてよく授業をさぼるようになっていた。

先生も始めのうちは俺と話す努力をしてたけど、態度は変わらないし困っていたみたいだった。

そのうち他に悪い事をして問題を起こしたりしないから、構われなくなった。

友達とも遊ばなくなり、家族とも疎遠になった。

無気力で無感情にただ毎日を過ごしていた。

そんな時に出会った。

彼の人生を大きく変えた一人の女性に。
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