5分100円 コインランドリー
4.悲しい過去
順ちゃんの誕生日会が開かれる。
というより、お店の開店記念日。
ジュン、駅の飲み屋街の一角にある。
お店の前には、たくさんのスタンド花が飾られていた。
私は、ラナンキュラスの花束を手に持って扉を開けた。
さっき、お花屋さんに寄った時、色とりどりのラナンキュラスが目に入った。
花が、コロンとしてて、かわいくて。花束にしてもらった。
ブーケ風の花束。
「あっ。いらっしゃい。瑛子。」
いつもの順ちゃん。
いつもの笑顔。
花束を、順ちゃんに手渡した。
『ありがとう。ラナンキュラス私にみたいに、綺麗ね。』
「順ちゃん、相変わらず元気そうだね。」
カウンター越しの順ちゃんは、グラスにビールを注いでいる。
お店の新人、啓にそのグラス渡した。
啓は、奥のテーブルのお客さんに、グラスを差し出している。
だんだん、ウェイターも様になってきたようだ。
視線を戻すと順ちゃんの心配そうな表情。
「どうしたの?なんだか元気ないんじゃない?」
『なんだか、飲みたい気分で・・・。』
「瑛子にしては、珍しいんじゃない?なににする?」
そう。なんだか。気分が沈む。
「ビールで。」
「啓。ビールお願いね。」
接客中の啓が振り返って、「はい。」と返事をした。
かなり、元気もいい。若いって羨ましい。
順ちゃんは、灰皿を手元に寄せて、タバコに火をつけた。口元から煙を吐き出す。
「っていうか、ここ3年、毎年のことよね。この時期・・・。」
『そうだね。順ちゃんには、色々聞いてもらったもんね。』
「あなたは、悪くないんじゃない?精一杯だったんじゃない?無理しすぎてたもの。」
いつも、そう言って慰めてくれる、順ちゃんの言葉に、何度も助けられてきた。
三年前、一緒に住んでいた。
涼。
忘れたくても。
忘れさせてくれない彼。
というより、お店の開店記念日。
ジュン、駅の飲み屋街の一角にある。
お店の前には、たくさんのスタンド花が飾られていた。
私は、ラナンキュラスの花束を手に持って扉を開けた。
さっき、お花屋さんに寄った時、色とりどりのラナンキュラスが目に入った。
花が、コロンとしてて、かわいくて。花束にしてもらった。
ブーケ風の花束。
「あっ。いらっしゃい。瑛子。」
いつもの順ちゃん。
いつもの笑顔。
花束を、順ちゃんに手渡した。
『ありがとう。ラナンキュラス私にみたいに、綺麗ね。』
「順ちゃん、相変わらず元気そうだね。」
カウンター越しの順ちゃんは、グラスにビールを注いでいる。
お店の新人、啓にそのグラス渡した。
啓は、奥のテーブルのお客さんに、グラスを差し出している。
だんだん、ウェイターも様になってきたようだ。
視線を戻すと順ちゃんの心配そうな表情。
「どうしたの?なんだか元気ないんじゃない?」
『なんだか、飲みたい気分で・・・。』
「瑛子にしては、珍しいんじゃない?なににする?」
そう。なんだか。気分が沈む。
「ビールで。」
「啓。ビールお願いね。」
接客中の啓が振り返って、「はい。」と返事をした。
かなり、元気もいい。若いって羨ましい。
順ちゃんは、灰皿を手元に寄せて、タバコに火をつけた。口元から煙を吐き出す。
「っていうか、ここ3年、毎年のことよね。この時期・・・。」
『そうだね。順ちゃんには、色々聞いてもらったもんね。』
「あなたは、悪くないんじゃない?精一杯だったんじゃない?無理しすぎてたもの。」
いつも、そう言って慰めてくれる、順ちゃんの言葉に、何度も助けられてきた。
三年前、一緒に住んでいた。
涼。
忘れたくても。
忘れさせてくれない彼。