5分100円 コインランドリー
翌日の涼は案の定。
嗚咽にも似た声を出して、泣いている。

『ホントにごめん。二度としない。僕がいけないんだ。弱いから。』

繰り替えされる毎日。
その言葉を聞いた私は、涼を抱きしめる。
大丈夫。大丈夫。髪を撫でる。

「私は、涼を見捨てたりしないから。ずっと一緒にいる。約束する。」

安心した表情の涼は、子供のように微笑んだ。

二人で買い物に出ると、荷物はもちろん持ってくれる。
やさしい、気遣いもしてくれる。
頼もしい一面もある。
私を一番に考えてくれている。

何より・・・

愛してくれている。


・・・ただ。


一つだけ。


彼は、アルコールが入ると人が変わる。


それも、ドメバイ。



私の体と心は、深みに嵌り、身動きすら取ることができない。
・・・ましてや、離れることもできない。



・・・・


私は、昔の記憶から遠退くように、順ちゃんのお店に視線を戻した。
いつの間にか、お店には人が、たくさん入っている。
順ちゃんは急がそうに、各テーブルに顔を出していた。


私は、カウンターにお酒の代金を置いた。
お客さんと話をしている順ちゃんに目配せをした。

(もう、帰るね。)の合図。

啓は、私が立ち上がったのを確認すると出入り口まで、出てきてくれた。
『ありがとうございました。』
元気のいい彼を見ると、うらやましくなった。







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