5分100円 コインランドリー
なんだか、少し切なくなった。
彼女の寂しそうな表情に、胸が痛くなった。

思わず、彼女を抱きしめたくなった。

拡げた手で、彼女を包み込もうとした。

その時。

一瞬にして、両手が震え出した。

・・・手が止まった。

そう・・・。

彼女の首元。



青いアザ。



悲しい現実。
見たくない過去。
忘れたい思い。

・・・。

私の過去は誰にも話していない。

出来ることなら、
すべて、忘れ去りたかった。
すべて、記憶を消し去りたかった。
生きている意味も。

私には何の価値もない。


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