愛玩舞姫〜妖艶な微笑み〜
「音姫様のおなーりー!」
私がただ起床して皆のもとへ挨拶をするということだけなのに、大袈裟過ぎるくらいの出迎え。
自分で襖を開けなくとも当たり前のように開き、私が歩く横には家来達が平伏せている。
毎日毎日流石に呆れてくる…。
しかしこれが私の権力。
ただたんに東洋一の王族に生まれてきただけなのに。
私自体はなんにも実績を残したり、民の役に立ったことなど無いに等しいのに。
しかしそれでも誰もが憧れる、最高地位の私。
それなのになんだか物足りない気がするのは、何故なの…?
なにか心が寂しく思えるのは、何故なのかしら…。