愛玩舞姫〜妖艶な微笑み〜


「音姫様のおなーりー!」



私がただ起床して皆のもとへ挨拶をするということだけなのに、大袈裟過ぎるくらいの出迎え。


自分で襖を開けなくとも当たり前のように開き、私が歩く横には家来達が平伏せている。


毎日毎日流石に呆れてくる…。


しかしこれが私の権力。


ただたんに東洋一の王族に生まれてきただけなのに。


私自体はなんにも実績を残したり、民の役に立ったことなど無いに等しいのに。


しかしそれでも誰もが憧れる、最高地位の私。


それなのになんだか物足りない気がするのは、何故なの…?


なにか心が寂しく思えるのは、何故なのかしら…。
< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop