涙恋~RUIRENの魔法~
罰と絶望
バイクは爆音をたてて国道を走る。


   風と一体化するんだ

家庭教師だった頃の
優が珍しく
熱く語るのはサッカーとバイクだった。


「先生、私も乗りたいな~」

「バイクは危ないからね。
亜恋ちゃんが大きくなって
また会えたら乗せてあげるね。」


社交辞令にもウキウキする私だった。


先生のバイクが駐車場に止まってるのを見て
あの日の言葉を思い出した。


あの人はここに乗るのかな



今頃大騒ぎかな
おかあさんに電話いったかな

今になって自分の行動に冷や汗してる。


バイクはマンションの前に止まった。


「怖くなかったか?」

「ちょっとドキドキした。
ここは?」

「先輩んち~」


   家・・・・・・

少し後悔した。


「家族の人はいる?」

直樹は返事をしなかった。
躊躇する私を直樹が、ひっぱった。


足早に家に向かう。

   まずいな・・・・・
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