涙恋~RUIRENの魔法~
「これ、コーチの住所と携帯の番号とアドレス・・・・」


私はびっくりした。

「どうして?これ・・・・」


「監督のメモ見たんだ。」

「だって・・・・
これ見たら私会いに行くよ・・・・
いいの?」


「いいよ。」


「会いに行ったら
戻らないかもしれないよ?」


「いいよ・・・・。」
愛斗がうつむいた。


「だって、コーチに会わなきゃ
亜恋は前に進めないんだろう?
それがいいのか悪いのか
俺にとっても、亜恋にとっても
わからないけれど・・・・・・」


「愛斗・・・・・・」


「会いに行っといで・・・・・
前を向いて歩けたら
俺のとこに戻ってきて・・・・・・
それでいいんだ・・・・・」



私にメモを握らせた。


「ありがとう・・・・・・
なんて言ったらいいんだろう・・・・・」


「じゃ、俺戻るわ。
これから練習なんだ。」


愛斗は明るく言った。
そして私の頭をぐしゃぐしゃっとして
走り去っていった。


消えていく愛斗を見ながら
胸が苦しくなった。

自分の思いだけを押し付けるのだけが
愛じゃないって・・・・・
愛斗が教えてくれたような気がする。
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