涙恋~RUIRENの魔法~
確かめ合う心
栄養失調がこんなにひどいものだとは
思わなかった。


目だけうっすら開いた。


その様子に気がついた優が
駆け寄ってきた。

「亜恋!?」


「大丈夫か?」


目だけが優を追う。


  うん


そう言いたいのに
言えないもどかしさ・・・・

「ごめんなさい・・・・」

目で訴えた。


「可哀想に・・・・・俺のせいだ。」



  ちがう・・・・


「こんなに追い詰めて
俺はこれからどうしたらいい?」



  一緒にいてくれたらいい・・・・



「ごめんな。ごめんな・・・・。」



  私こそ・・・・・
  許して・・・・



母が駆け寄ってきた。


「亜恋!!目がさめた?」


  おかあさん・・・・・
  ごめんなさい・・・・・



「よかった・・・・・
本当によかった。
おとうさんを呼んでくるから。
先生・・・・お願いします。」



優は、私の髪の毛を優しく撫ぜた。



涙がつたった




優がその涙を人差し指でなぞった。


涙は後から後から
流れ落ちる・・・・・・


「泣き虫 亜恋・・・・・・」

優は強く・・・・強く・・・・・
私を抱きしめた。



「俺の最期の時・・・・・
俺の瞳の中に・・・・・最後に映るものは
亜恋なんだ・・・・・・・
笑顔でも泣き顔でもいい・・・・・
亜恋なんだ・・・・・・」





私はひきつった筋肉で
必死に笑った。



「愛してる・・・・・」



優が私を見つめた。



私は 必死に声をだした。



「ずっと・・・・・ず・・・っと・・・・一緒・・・・・」




優はまた私を強く抱きしめた。
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