涙恋~RUIRENの魔法~
母が入浴許可がおりて
久し振りのお風呂にはいれた
私の髪の毛にドライヤーを当てた。


「今度の金曜日に退院していいって。
食事もとれるように
なったから、よかったわ。」


「ごめんなさい。」



「二度とこんなことしないね?
優先生がいなくなっても
絶対こんなことしないでね。」


「うん、しない・・・・
だから、一緒にいたいの・・・・
後悔したくない。
最期の時にそばにいたいから・・・・・」


「そんなに好き?」



「うん…だってずっと好きだった。
小さい頃の初恋なんだもん。
強引に歩いてきたけど
人をたくさん傷つけて
人生を狂わせたかもしれないけど
私には
精一杯だったから。
ごめんなさいってずっと思ってる。
先生の奥さんや子供や
家族や、回りのの人も
みんなを巻き込んでしまったけど
ユウくんを好きでたまらない。」



「先生は死ぬんでしょ?
あなた耐えられる?」



「もう心の準備はできたよ。
あとは・・・・・
一緒にいられる時間を増やしたい。
お願い・・・・
私からユウくんを奪わないで・・・・・
最期まで
その瞬間まで・・・・・」


母の顔を見つめた。


「先生とは、あなたが目覚めないころから
話し合いをしてきたわ。
人柄、亜恋を思う気持ちに
なにひとつ不満はないわ・・・・
先生の病気のことも
亜恋を別れてからのことも
全部話してくれた。
最期の時にしっかり思い残すことの
ないように亜恋に
この愛の終わりを感じてほしいから
次の人生に早く踏み出してくれるように
導いていきたいって・・・・・
真剣に言ってくれたわ。」
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