涙恋～RUIRENの魔法～
気付かないふり
「明日は、
実家にでも顔出してきたら？」

金曜日の夜　優が言った。



「どうしたの？」



「監督から連絡がきて
練習見てほしいって言われたから
久々にサッカー見に行こうかと思って。」
少し長くなるからさ
その間、家にでも行ってたらいいかなって。」


「サッカー？
うちの学校の？」


「うん。少し気になることもあるし・・・・」



「愛斗の調子が上がらないから
少し話してみたいなって思ってる。」



「愛斗？」


「このまえミスして負けたから
まだそこから立ち直ってないみたいだな」


　　落ち込ませたから私・・・・・



胸が痛んだ。



「わかった。家に連絡しておくね。」





次の日
私は優のバイクの後ろに乗って
風を切った。


「もうこうしてバイクでくるのは
最後になるかな。」

優がつぶやいたから


「どうして、そんなこと言うの。」
私は声を荒げた。


「いや、もうすぐ冬だから・・・・っていう
意味だったんだけれど・・・・」

申し訳なさそうに
優が言った。


「あ・・・ごめんなさい。」
私は慌てて謝った。


「気にしてないよ。」

笑いながらヘルメットをくれた。
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