涙恋~RUIRENの魔法~
優の首を持ち上げた。
落ちくぼんだ頬を撫ぜた。
少し開いた唇にキスをした。
薬品の匂いがした。


命尽きる瞬間に流れ落ちた
眼尻にもキスをした。


少ししょっぱいような気がして
優の顔をもう一度
見つめた。


「少しの間、バイバイ・・・・・・
私がそっちに行って
生まれ変わるまで・・・・・
優も幸せでいてくれますように・・・・・」




すすり泣く会場


私は一番後ろの真ん中の通路側に座った。



遺影の優にずっと語りかけた。



優に出会って

亜恋 なのに  涙恋 だったね


悲しい恋をしたけど・・・・・
でも
優に会えてよかった。

運命のように何度も再会できたことを
神様に感謝しよう。



今日と明日はたくさん泣かせて
これからメソメソしないように
今いっぱい泣いたら
きっと笑顔で歩きだせるから・・・・・



次の日快晴の空に向かって
優が旅立って行った。



私は天を仰いだ。


  完結だね。
  
  私と優の愛の軌跡・・・・・



優が



「亜恋!!」と読んでくれたような気がして




真っ青な空に昇って行く
優の白い煙を見上げていた。


二時間後
優は真っ白な骨になった。

私のスタートと同じ・・・・・・
真っ白なページの始まりの色・・・・・


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