涙恋~RUIRENの魔法~
「落ち着いた顔になったね。」


「ありがとう。
心配かけてごめんね。」

愛斗が私の歩幅に合わせて歩く。



「そうそう、おめでとうね。
選考の合宿に行ったのは聞いていたの。」


「なんとかメンバーにはいれたから
後は、自分との戦いだった。」



「愛斗はすごいね・・・・
尊敬するな~
いつも向上しようと追い込むから
レベルアップしていけるのね。
私は、なにを目標にしようかな~
愛斗を見ていると焦るわ。」


ちらっと横を見た。


背の高い愛斗の顔を見る時は
顔をあげなければ見えない。


青空を見上げるように




愛斗の横顔は
自信に満ち溢れていた。
そして希望にも・・・・・・



「愛斗は、将来どうするの?
やっぱりサッカー選手?」


「う・・・・ん・・・・・」



愛斗が悩むように唸ったから
驚いた。


「ちがうの?」


「いろいろ悩むんだよね。
自分の人生を振り返った時
間違いなかったって思うことって
難しいじゃん・・・・・
亜恋は・・・・
少なくても今は
胸をはれるだろう?
コーチ見てるとそう思った・・・・・
この人のように悔いのない人生だったって
思うためには
どうしたらいいのかなって・・・・」



「ユウと愛斗は違うよ。
愛斗には未来があるから・・・
たとえ間違ったって
やり直しがきくし
私たちまだ若いもの。
臆病になっちゃだめだよ。」
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