涙恋~RUIRENの魔法~
Dear A  ~1~
  ~亜恋~


亜恋、今俺はどうしている?


どっちにしても俺が幸せだったこと
忘れないでほしい。

嶋村 亜恋 という人間と生きてきた
短いけれど壮絶な愛を
経験できた、生きている価値のある
人生だったと・・・・

俺が生きている間
口だけでは伝えられないことが
とてもたくさんあるような気がして
すごく焦っているから
こうしてここに残すことにした。
亜恋は必死に勉強してるけどね~



俺の家教のバイトの生徒として
出会った亜恋は
本当に純粋な小さい女の子で
その時俺は
大きな怪我で夢の軌道修正にぶつかっていた。
しがみつきたい気持ちと
これじゃサッカーは楽しめるけれど
生きていくのは無理なこと
そんな葛藤の中
亜恋に勉強を教えていた。

わからない問題を俺が教えることによって
満面の笑みで問題を解く亜恋。
宿題を出すときの
少し鼻をひろげて
俺の丸付けを見つめる亜恋
俺の教師への道を開いてくれたのは
亜恋だった。

亜恋が小さい少女から
少しづつ大人に近づいていくのも
シャンプーの香や
しなやかに伸びてる指に
時々ハッと気がついた。


バイトをやめてから
俺は必死で勉強して
教師への道に進むことに決めた。
やっと熱くなれる夢を見つける
手助けをしてくれたのは
亜恋だった。
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