涙恋~RUIRENの魔法~
Dear  A  ~3~
俺は、その頃最後の制裁を抱える。


胃がん


亜恋に再会するまで
もうこの人生から解放されたかった。

だけどあの再会の日から

俺の心が揺れてときめく
亜恋と一緒にいたい
生きたいと・・・・・・・・・

だけどこれ以上亜恋を
振り回したくなかった。
だって俺は・・・・また亜恋を置き去りにする

泣いてばかりの亜恋だった。
俺がいなくなったら
亜恋はいったいどうなるんだろう


そう思うと亜恋のまっすぐな気持ちには
簡単には答えられなかったから
必死に気持ちを抑えつけてきた。

運命という言葉に
結びつけるのもどうかと
思うけれど
亜恋と結ばれている糸が
俺と亜恋を何度も会わせてくれているんじゃないか
それなら俺は
最後の時は
亜恋の笑顔を焼き付けたい
そう願うようになった。



限りがある俺の命
だめだろうか・・・・
亜恋と一緒にいたいと思うことは


その反面


亜恋の泣き顔が浮かんで


また恋愛じゃなくて
涙恋にしてしまう



そうおもう狭間で揺れてきたけど


そこに手を差し伸べてくれたのは
まっすぐな瞳で
俺を見つめる強いくせに
すぐ泣く亜恋だった。




亜恋によって俺の人生を幸せに
閉じたい
後悔しないように
一緒にいたいって・・・・・・
だから今こうして亜恋の背中を感じながら
幸せな時間を過ごしていられる


俺ってなんて
幸せなんだろう。
幸せという言葉から見放された俺が
人生かけて愛した女によって
救われた・・・・・



ありがとう亜恋・・・
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