涙恋~RUIRENの魔法~
臆病
愛斗は私の手を離さなかった。


築港で降りてまだ人の少ない港を歩いた。
愛斗とは
緊張してなかなか話が続かない・・・・・


「どこにいく予定?」


「とりあえずここら辺の
有名スポット巡りかな~」

「でも、まだ時間があるね~
開店まで・・・・・」


「ちょっと早く来すぎたか・・・・・」
愛斗が困ったような顔をした。


「いいよ、私もこっちに来る
予定だったんだ。」
思わずいらないことを
口走ってしまった。


「何?なんか行きたいとこ
あったのか?」


「あ・・・いや・・・別にいいの・・・
帰りにでも寄ろうと思ってたから。」


「どこ?」
愛斗が立ち止まった。


「うん・・・えっと・・・えっと・・・・
去年の今日ね、ユウくんが
最後の入院した日なので・・・
アパートに行ってみようと前から
決めていたの。」


愛斗がムッとした表情になった。


「ごめんなさい、余計なこと言って・・・」
私は重い空気が漂う中
必死に謝った。


「強引に誘ったから。」
愛斗は投げやりにいった。


しばらく沈黙が続く・・・・・・・・


「俺もそこに行きたい。」

「え?」

「亜恋とコーチが住んでいたとこ。」


私は困った。
いくら行きたいといわれても
きっと愛斗には面白くないとこには
違わない・・・・・


「や、いーよ、私帰りに一人で・・・・」
途中まで言いかけたら
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