涙恋~RUIRENの魔法~
「今日はずっと一緒にいるんだ。
だから俺もそこに行く。」


「だって、おもしろいとこじゃないよ・・・・」
怖々言った。


愛斗は私を上から睨みつけた。


「いいから連れて行け。」


駅からまた列車に乗りこんだ。


一年前、見ていた風景が広がる・・・・・
あのころ
一分でも早く会いたくて
記録作るのに必死だった。


このアパートに向かう風景を
私はいつしか一人の世界になって
見ていた。


いつしか愛斗が手を離したのも
気付かず
私は駅から降りて
アパートへの道を歩き出した。


あのころの私に帰っていた。
アパートには優がいる・・・・・・

学校帰りに寄ったスーパーで
夕飯の料理を選んだ。


坂道前に大きく息を吸って
ペダルを踏み込む。


今日は一気にこの坂道を走って上がろう


大きく息を吸って
吐いた・・・・・・


私は一気に駆け上がる。

この先に優が待ってるアパートがある・・・・・


  「ただいま~優!!」
  会いに来たよ~



  はぁ・・・はぁ・・・・



息を切らして、上り詰めた時
私は声を上げた。



「どうして!?」


目の前に広がる景色には
ブルトーザーが一台
そして半分壊れかけたアパート・・・・・・


「なんで・・・優が待ってるって・・・
待ってるって言ったのに・・・・・」



足が笑う。
まっすぐ歩けない・・・・・・

ブルの横で座り込んだ。


すごいショックだった・・・・
立ち入り禁止のアパートのまわりを見渡した。


「大丈夫か?」


愛斗が声をかけた。


ウッ・・・・・ウッ・・・・・
こらえきれず嗚咽が漏れた。


「なんで・・・・ここに来たら俺がそばにいるって
言ったじゃない・・・・・」
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