涙恋~RUIRENの魔法~
私は走りだした。

優を今追わなければ後悔するから・・・・・


「ユウ~~~~~ッ!!!!!!」


周りを何も見ずに
私は優のバイクを追った。


ミラーが私をとらえてる。


そこにサッカー部一行がいることも気づかず
必死だった。


優がスピードをあげてバイクはどんどん離れた。


私は足がもつれて道路で
派手に転んだ。



「ゆ~~~~~う~~~~!!」
そう叫んでも
優は引き返しては来なかった。


車のクラクションに我に戻って
ヨロヨロと立ち上がった。
車の運転手に頭をさげて
歩道にあがった。


両膝はみごとに擦った傷で
血が流れていた。
目にも温かいものがながれこんで
手をやったら
血が出ていた。


周りを歩いていた人たちが集まってきた。


「大丈夫?」
ティッシュをくれたり声をかけてくれた。


みじめだった。
バイクを追って走る自分が
情けなくて
涙が出た。

「大丈夫です・・・・
すみません、ありがとうございます・・・・」

そういうのがやっとだった。


「歩ける?」

「大丈夫です。」


やっと立ち上がった時
自転車がとまった。


「送るから。」

愛斗が私を抱き上げて自転車の荷台に
乗せた。


「よかったね」
見ていたおばさんが言った。


私は見ていた人たちに
聞こえるように
「ありがとうございます。」と言った。


「二人乗りはだめだから
亜恋はそのまま乗ってていいから。」

愛斗は自転車を押して
歩き出した。

 



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