涙恋～RUIRENの魔法～

十字架

「亜恋・・・俺は会いたくないんだよ。
どうしてそっとしておいてくれない？」

「ユウくんに会って聞きたかったから。」

「奥さんと子供のこと・・・・
一緒にいないの？」

「・・・・・いる・・・よ・・・・」

「うそ？」

「どうして？
そんなこと亜恋には、関係ないだろ。」

「だって、私がユウくんと
あんなことになって・・・・・
私のせいだから。」


優は深くため息をついた。


「あの日、あれからは
別々の人生を歩くって誓った・・・・
だから、その後のことは
亜恋には関係ないことだよ。」


「そうだけど・・・・」


「あの日、終わったんだよ。
あんなに苦しんで苦しんでだした答え
だったんだから、俺の人生の十字架は
俺が背負っていかなければ
いけないんだ。
亜恋には関係ないんだよ。」

悲しく笑う。
その顔を私は、何度見てきただろう・・・・

「亜恋も新しい人生歩きだしたんだ。
愛斗は、まっすぐで
素敵な子だろう？
愛斗なら安心だよ。」


「愛斗のことは好きだけど・・・・・
ユウくんのこと・・・・・」

「俺の心配はいらないよ。
喉乾かない？
そこの自販でコーヒー買ってきて。」


　　まだ一緒にいられる

その喜びでうなづいた。

優は私に２本分のお金をくれた。


私は自販に向かって小走りに向かって
お金を入れようとした時
バイクのエンジンが聞こえた。

私は慌てて戻ろうとした時
優のバイクは走り去ってしまった。
自販の前で私は呆然と
優が見えなくなっても立ちすくんだ。