勉強会課題作品ノート《さやか》
12/17 街を描く
今日も良く晴れた1日だった。

蹴り上げたサッカーボールの上に茜空がその名残を残して美しく広がっている。
落ちてくるボールと同じ速度で、コウジは視線を地上に戻した。
校庭に落ちたボールの下に自分達が住んでいる街が見える。

コウジ達の学校は丘の上に建っている。

遅刻しそうになったときは地獄を味わうこととなり、建てた奴を恨んだ事もあったが、この景色が毎日見れることはこの学校の生徒の特権だと嬉しく思う。

今まで同じ校庭で遊んでいた別のグループの奴らが帰っていく姿が見える。
様々な色のランドセルを揺らし、地獄の坂を下って、今日あった楽しい話に花を咲かせている。

商店街には、ぽつぽつと光が咲く。
季節がら、楽しそうな雰囲気を表すかのように光でいっぱいになって、それを集めたかのように中央にはツリーが立っている。

そんな商店街を通ってみんな家に帰っていく。みっちりと詰まった家達。同じものはどれ1つとしてないが、一つ一つが発する光はどれもあったかい。
コウジの家もそこにある。

ふと、顔を上げると夕日が地球の向こうに沈んでいこうとしていた。
その速さに目を奪われ、動けないでいると、一緒にボールを追いかけていた友達がいつの間にか同じように夕日を見ていた。

みんなで夕日を見送って、みんなで笑顔になった。
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