【完】約束=願い事
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その少女
月がやけに眩しいな。
夜の街でそう思ったのは、
きっと満月だったからかな。
春先の夜空はまだ澄んでいて、
こんな淀んだ街中も受け入れるように見下ろしている。
夜は好き。
暗くて、
月明かりは決して
わたしの姿を映しきることが出来ないから。
内面も外見も
汚れたわたしを、
まるで何かで包むみたいに優しく照らしてくれる。
そんな風に思うから。
それに、
少し大人っぽい姿をしてメイクをすれば、
夜に紛れて14歳のわたしでも
あっさり何歳も年上に見えてしまうから。
大人って生き物にも
頭が足りない人なんて
たくさん居るのね。
て気付く。
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