【完】約束=願い事
不意に彼が、白い何かを取り出した。
手紙…?
うぅん違う。
白いカードだった。
糊でしっかり留められたそれは、
ミシン目に沿って剥がして開く、メッセージカード。
複雑な内心とは裏腹に、
すぐにでも受け取ろうとするわたし。
「せっかちだな、夢瞳は」
カードは手から手へ移動した。
また少し悲しげな笑顔と共に。
「でもダメだ。
封を破るのは明日の夜まで待って」
「えー明日?
待てないよー!
じゃあなんで今渡したの?!」
「今渡して、明日の夜に開けることに意味があるからだ。
明日の夜まで開けないでくれ」
約束だよ。
照が告げる。
ズルイ
そんな真剣な顔で言うなんて反則だよ。
頷くしかないじゃない。
仕方なく、わたしは首を縦に振った。