【完】約束=願い事

「早速ですが山城さん」


対面の後すぐに、御木本は施設長へと目を移した。


初老の彼は、慣れない雰囲気をどこか我慢している様な、
そんな感じ。



「何でしょう?」


「彼女と二人で話をさせて頂きたい。
よろしければお帰りください。
夜までには責任を持ってお送り致しましょう」


丁寧な対応。

だけど有無をいわさぬ流れに、
さすが企業の社長だと感じる。



一方施設長に断る理由もないため、
さっさと帰る彼。


「……」


帰んの?
責任とか無いの?

去っていく後ろ姿に疑問が芽生えた。


期待なんてしてなかったし、居ても邪魔だけど、
あっさり引く施設長に呆れて言葉も出なかった。





< 114 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop