【完】約束=願い事
毎朝のニュースをチェックしながら、
さっさと朝食を済ませて
鞄を取りに部屋へと向かう。
「夢瞳姉ちゃん、もう行くの?」
ドアを開けようとした
ちょうどその時、
小さな男の子がわたしを呼び止めた。
不安定な曇り空みたいな男の子。
「咲楽(ササラ)…?」
自分の身長の半分程ある大きな茶色のテディベアを抱えて
咲楽は不安そうに立っていた。
「うん。もう出掛けるよ学校にね。
咲楽も用意しなさい。
小学校に遅れちゃうでしょ?」