【完】約束=願い事
学校から戻ると
わたしはいつも通り食堂にある新聞を手にとる。
時事を知っておくのって
大切でしょ?
なりたい職業とか、行きたい学校に行くには勿論勉強が出来ることは必至だし、
幅広く時事にも詳しくなくちゃ。
世の中自分しか信じることなんて
出来ないじゃない?
だから自分に身に付くことはしておくの。
一通り新聞に目を通し終わると
わたしは2階の自分の部屋へと戻る。
今現在、施設に暮らす比率は男子の方が多く、女子が少ないために
女子にはひとり一部屋与えられている。
問題を少しでも避ける目的で
性別で階が分けられているから
どちらかの性が少ないと部屋の余りが発生するためだ。
女子が2~4階。
男子が5~7階。
21時の消灯と共に、4階と5階の間のドアが封鎖される。
建物の左右に非常階段が設置されていて
南側が女子用、北側が男子用として鍵を開けているから、
結局はお互い忍び込もうと思えば
簡単に忍び込むことが出来る。
一応それぞれの部屋にも簡易ながら鍵もついているから
煩わしい共同部屋生活をしなくて良いし、静かに勉強が出来るし
夜中こっそり抜け出すことも可能だ。
ひとり部屋は
わたしにとっては、かなり助かっている。