【完】約束=願い事
「なんで恒輝と夢瞳がここに?」
気まずい沈黙の後、オレは口を開いた。
今の話、聞かれた…よな?
夢瞳の気まずそうな顔を見れば明らかだ。
「わたし、今日はやっぱり帰ります」
そう言い放つと、
踵を返して走り去って行く。
「待って夢瞳!」
どうすれば良いかなんて思い付かずにとっさに走り出した。
運動神経が良い彼女に追い付いたのは、家を出てすぐのことだった。
右手首を掴んで、走行を中断させて、距離を詰めることが出来た。