【完】約束=願い事

夢瞳が施設に来たその時、すでに私と大和は6年の間、この施設で過ごしていた。





いとこ同士の私たちは、一緒に参加した、バスツアーの事故で家族を失って、施設に預けられた。


祖父母はとても私たちを育てることが出来る状況ではなかったらしい。
その彼らも、もう今は亡くなったと聞いた。




6歳だった私は、
人見知りもあり、施設の生活に馴染めないでいた。

きっと大和もそうだったんだと思う。


だから当たり前の様に、ふたりはお互いを頼って一緒に育ってきた。

お互いが必要で、いつも一緒に居た。





でも12歳の秋、傷だらけの夢瞳がやって来てから、私と大和は前とは違う風になってしまった。



本当にそう信じて疑わなかった。






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