【完】約束=願い事
でも違った。
ずっと気付かなかった。
私がいくら大和を好きでも、
想いは叶わなくて、いつまでも兄妹なんだって思うのが悲しかったから…
夢瞳のせいにして、夢瞳を嫌うことに集中していたかった。
実際、本当に夢瞳の噂は絶えなかったから。
施設の中でも誰よりも古株の私たちは、結構みんなと親交があった。
同い年付近の女子がいないことから、どちらかというと荒れてる男子たちと仲が良かった。
その中の何人かが夢瞳と寝たことがあるといっていた。
あの真っ黒の綺麗な髪は、思春期の男子を惑わす悪魔の道具に違いない。
そう思えてならなかった。