【完】約束=願い事
『それとね、明日』
『…え?明日?』
『うん明日ね、恒輝が君に話があるみたいだよ。
合図するから降りてきてって』
『……分かったわ』
照は満足そうに頷いた。
でも。
『ねぇ照、聞いて良い?』
『ん?』
『なんでそんなこと私に…?』
『大和のこと?
知ってるのに教えないのは卑怯でしょ。
後は、夢瞳の誤解を解きたかったからね』
『あんた…夢瞳のこと……』
照の目を見たら、その先は言えなかった。
中性的なすらりとした体型と見た目。
なのに、目から伝わる意思は強くて、計り知れなかった。
『良ければ友達になってあげてよ。
夢瞳はきっと、寂しがりだから』
それは相手を想う瞳。
分かってしまった、照の気持ち。
『それから、咲楽のことも頼むね。
あいつお姉ちゃんとお兄ちゃんがほしいんだってさ。
寂しがりが多いな』
全く。
おぼっちゃまは何を考えてるのか人のことばっかり。
お人好しに笑えてきた。