【完】約束=願い事
若干青ざめて見えたのは暗闇のせいだろうか?
「大丈夫?」
わたしは心配して照を見上げた。
喧嘩や虐待で怪我をする姿には慣れても、
原因不明の頭痛は、
外傷がないだけに、さらにひどいように思えてしまう。
それに、
ここで倒れられては、はっきり言って迷惑だ。
意識がなくなれば部屋まで運ぶのはわたしだし、
最悪アイツらに見つかってしまう。
そんな思いを知ってか知らずか、
「大丈夫……って何が?」
あぁ。
痛んだことに気がついてないのね。
きっと身体と心が拒否してるのだろう。
それが逆に痛ましく見えた。
「…なんでも無いわ。
もぅ部屋に戻りましょ」
少ししか経ってないと思えば、
時計は既に22時を過ぎていた。