【完】約束=願い事
どのくらいたったのか。
嵐が過ぎ去った後、
傷だらけで怯えるわたしを見た父は、
衝撃で慌てふためいた。
「ごめん。ごめんな夢瞳。
痛かっただろう、苦しかっただろう?」
何度も何度も謝って、
まるですぐ壊れてしまうガラス細工を触る様に、
わたしの傷の手当てをした。
激痛と疲労と安堵で、
わたしは途中で意識を手放した。
良かった。
いつものお父さんだ。
お父さんはきっと悪い魔法使いに魔法をかけられていたんだ。
もう、大丈夫だよね。
もう、お母さんと間違えないでね。
夢瞳がお母さんの分も、
お父さんとずっと一緒にいてあげるから。