【完】約束=願い事
思い付いた方法はひとつ
わたしは閉まってる扉を背に
横へ横へとゆっくり移動する。
「ははっ逃げらんねーぞー夢瞳」
「早くやろうぜー悠生」
悠生たちは
わたしが本当に逃げきれるとは考えてない。
余裕の様子で笑いながら服を脱ぎ始める。
そんな悠生たちを横目に、
わたしは目的の窓の下にたどり着いた。
右手を強く握りしめる。
お願い。割れて!
わたしは心を決めると
ありったけの力で窓を殴りつけた。
「……?!」
思ったより音が響いて驚く悠生たち。
わたしは間髪を置かずに、
「きゃーーあーーぁーー!!」
肺一杯の空気を絞り出す大声で叫んだ。
そして、割れた窓から逃げ出した。