【完】約束=願い事
中学生?
高校生かな。
綿菓子みたいな雰囲気。
こんな時間に
こんな場所にひとりで居るのがどこか違和感を感じる少年。
「なに…してるんですか?」
見つめる彼が気まずくて、声をかけた。
「え…」
彼は戸惑いながら、困った顔で空いた手を上に向けて、
「傘を挿して…」
「挿してるのは分かるわ、ありがとう」
少し笑って言うと、
少年は恥ずかしそうにうつ向いた。
「いや。
偶然だなーと思って」
「偶然?」
痛む右手をタオルで押さえて尋ねた。
「って何が?」
「やっぱりかー
覚えてないよなー残念だぁ!」