【完】約束=願い事
だけど表面的には
崇佑の傘に入るまで
すっかり雨に濡れていたから
暑いどころか少し寒くて
きっと身体は冷えていた。
「こんなに冷たくなって…どうしたんだい?
なんで外に居たの?」
見上げるわたしの目は固定された様に
瞬きすら出来なかった。
「とっ、とりあえず熱はないよ。大丈夫」
舌を噛むわたし。
精一杯
平然を装って額に置かれた手を戻したけど、うまくいったかは分からない。
なんだか恥ずかしくて
両頬に手を当てる。
「ん?」
怪訝そうな照の声。
戸惑うわたしに気付いたのかな…
でも違ったみたい。
「夢瞳、その手??」
忘れてた。
しまった。
と思った時にはすでに遅く、包帯でくるまれた手が照の手中にあった。