【完】約束=願い事
そして次の瞬間
わたしを見て薄く笑顔を作った。
「ごめんね夢瞳」
それは彼女がいつもわたしに向ける、
敵対心むき出しのムカつく顔じゃなくて、
本当の笑顔に見えた。
「それから、おめでとう」
「え……?」
少し寂しそうにそう言った。
何が、ごめんなの?
何が、おめでとうなの?
ワケが分からず立ち尽くすわたし。
「何――」
口を開きかけたその時には
既に目の前で扉が静かに閉まっていた。