わがままペット?〜あたしの飼い方。
「とりあえず、メシだな。」
ちなみに鳴ったのは、セイチャンのお腹ですよ?!
セイチャンは手際良くコーヒーとパンをテーブルに並べた。
その後ろ姿を見ながら、あたしは軽く髪を整える。
そう言えば、あたしも久しぶりにグッスリ眠れたかも。
「早よ食べ?」
「ありがとう―…いただきます。」
ニガイ……このコーヒー…ブラックだ。
でも、泊めてもらって朝ご飯まで……文句言えない。
何食わぬ顔で少しずつコーヒーを飲むあたしの目の前に、セイチャンはまたクスクス笑いながら砂糖とミルクを置いた。
「わりぃ。忘れてたわ。」
「うぅ…。何から何まですいません。」
あたしはやっぱり子供だぁ。
たっぷりの砂糖とミルクで、あたしは満面の笑みで朝ご飯を食べてたらしい。
「どんだけ幸せそうな顔してんねん。お前見てると飽きひんなぁ…。」
セイチャンはボソッと呟いた。
すでにホットミルクにほど近いコーヒーをすすりながら、あたしは思った。
このまま時間が止まればいいのに。
なんとなくだけど、本当になんとなく、そんな乙女な事を考えいた。
なんだか、フワフワした気持ち。