わがままペット?〜あたしの飼い方。
ぎゅってして。
あたしは素直にそのラーメン屋さんの前で立ち止まった。
セイチャン…本当に来るかな?
少し小走りにやってくるセイチャンは、スウェットにサンダルだった。
「本当に来てくれた…。」
あたしがポソッと呟くと、セイチャンはあたしの頭をポンポン叩いた。
「お待たせ。何?何かゆうた?」
「ううん。何でもない〜。」
思わずニヤけてしまう自分にあたしはまだ気が付いてなかった。
「あれ?ミアチャン風呂上がりなん?」
セイチャンはあたしの湿った髪に気が付くと、慌てて歩きだした。
「今日は冷えるから早よ乾かさな!」
あたしも慌ててセイチャンを追うけど、全く付いて行けない。
「セ…セイチャン!待って!」
セイチャンは背が高い上に足もめちゃくちゃ長い訳で…。
「お…悪い!お前ちっこいねんな。」
セイチャンはそう言って笑いながら、あたしの手を握った。
あったかい。
なんか…セイチャンて……
パパみたい。
昔のね。