わがままペット?〜あたしの飼い方。
学校に着くなり、正門で事務員さんより先にあたしの視界に入ったのは、ハルだった。
「おはようミア。」
「ハルぢゃん、おはよう。どうしたのこんな所で。」
少し歩けばみんなが集まるテリアがあるのに、ハルは一人で正門の花壇の端に座っていた。
「ミアさぁ、みんな淋しがってるよ?学校来ても授業終わったらすぐ帰るし、飲みにも行かない。この前もそうだけど、どうしたのはこっちのセリフだよ。」
ハルには、いつもみたいな優しい笑顔はなくて……少し怒ってる様にも見えた。
「この前の事はごめん。……あのね、パパとちょっとあってね〜。今知り合いの所に居候してるの。」
「え!?…大丈夫?」
「うん。別に大した事でもないしね。ほら、授業!」
あたしは正門をくぐろうとしたのに、ハルは動こうとしなかった。
「知り合いって誰?」
ハルは真剣な顔をしてあたしのカバンを掴んだ。
「え?ハルの知らない人だよ。」
「……男?」
ハルのこの質問に、なぜかあたしは頬を赤らめてしまった。
だって、セイチャンは男だけどパパみたいな感じで…でも今朝の出来事があたしにとって少しやましい事の様な気がしたから。
「男なの?おいミア!お前男と住んでんの!?」
ハルがいきなり大声を出すから、あたしは慌ててハルの口を塞いだ。
「ハル!テリア行こう…。」