わがままペット?〜あたしの飼い方。
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「―…そのセイチャンて男、どんくらいイケメン?」
少し遅れてテリアに来たユカが、イケメン美容師っていう所に食い付いた。
「さぁ…。ユカは面食いだから分かんなーい。あたしは綺麗な顔してると思うよ。」
「その男、絶対怪しい。」
あたしがセイチャンとの事情を話してる間、ハルは終始黙ってた。
そして、やっと口を開いたと思ったらこの発言。
「何それ〜。セイチャンはすごい優しい人だよ?」
「いや、だってもう何年も会ってなかったんだろ?それなのに家に住ませるって…なんか目的あるんじゃねえの?」
またまた、いつもの優しいハルには似合わない、冷たい表情で言い放つ。
確かに…その辺はあたしも不思議だったけど。
でも……
あたしの脳裏に、セイチャンのあの優しい笑顔がよぎった。
「セイチャンは怪しくないもん!」
あたしは机を叩いて叫んでいた。
「…あ……っと…ごめん。何熱くなってんだろね、あたし。今のナーシ!」
ハルとユカが目を丸くしていたのを、見ない振りしてあたしはカップの中のオレンジジュースを飲み干した。
「会わせて。」
「ん?」
「そのセイチャンてヤツに会わせて。」
今日のハルはなんだかおかしい。
あたしだけじゃなくて、ユカもきっと思ってる。