わがままペット?〜あたしの飼い方。
このまま。
授業が終わって、すぐにあたしは教室を出た。
「ぢゃ、また明日ね。ハル、ユカばいばい!」
「ちょっ…、ミア?!」
ハルが慌ててあたしの腕を掴んでも、それはスルリと抜けられた。
走ってテリアに向かうとそこには笑顔のセイチャン……
と、セイチャンに群がる女性達!
失敗。
こんな一目につく場所で、セイチャンを一人待たせるんじゃなかった。
「え〜、美容師?私の髪も切って下さいよ〜。」
一人の女の子が言った。
「いいよ。いつでも連絡して。」
………!
標準語?
何その甘い感じ。
てゆうか、
校内で名刺配るなー!!
みんな目がハート!
ホストか!
「セイチャン!!終わったよ!」
あたしはテリアの入り口から少し大きな声でセイチャンを呼んだ。
わざと離れた場所からセイチャンを呼ぶには訳がある。
セイチャンは、周りの女の子達を残して、あたしの元へ走って来てくれるから。
「おつかれさん。ほな行こか。」
セイチャンは後ろの女の子達に軽く手を振ると、あたしに振り返って微笑んだ。
あたし、どうしちゃったの?
変だよ。
他の女の子といるセイチャンを見た瞬間、気持ちがモヤモヤした。
「ん?どした?授業疲れたんか?」
セイチャンてば優しいし。
関西弁に戻ってるし。
もう訳わかんない。