わがままペット?〜あたしの飼い方。
このまま。


授業が終わって、すぐにあたしは教室を出た。



「ぢゃ、また明日ね。ハル、ユカばいばい!」




「ちょっ…、ミア?!」




ハルが慌ててあたしの腕を掴んでも、それはスルリと抜けられた。




走ってテリアに向かうとそこには笑顔のセイチャン……



と、セイチャンに群がる女性達!



失敗。



こんな一目につく場所で、セイチャンを一人待たせるんじゃなかった。




「え〜、美容師?私の髪も切って下さいよ〜。」



一人の女の子が言った。



「いいよ。いつでも連絡して。」



………!


標準語?



何その甘い感じ。


てゆうか、


校内で名刺配るなー!!



みんな目がハート!



ホストか!




「セイチャン!!終わったよ!」



あたしはテリアの入り口から少し大きな声でセイチャンを呼んだ。



わざと離れた場所からセイチャンを呼ぶには訳がある。


セイチャンは、周りの女の子達を残して、あたしの元へ走って来てくれるから。




「おつかれさん。ほな行こか。」



セイチャンは後ろの女の子達に軽く手を振ると、あたしに振り返って微笑んだ。

あたし、どうしちゃったの?


変だよ。



他の女の子といるセイチャンを見た瞬間、気持ちがモヤモヤした。





「ん?どした?授業疲れたんか?」



セイチャンてば優しいし。



関西弁に戻ってるし。



もう訳わかんない。





< 36 / 48 >

この作品をシェア

pagetop