わがままペット?〜あたしの飼い方。



ふと、あたしは鞄の中から手鏡を出した。



「ふう。」



ひとつ呼吸を置いて、あたしは手鏡を覗き込んだ。




うそ…


じゃなかった。



自分でもびっくりするほど似てた。



ママとあたし、やっぱり親子だ。

少し釣り目の感じも、小振りな鼻も、下唇の厚さまでそっくり。


でも、どうして?ママに似てるあたしの顔をパパ見ないの?


ひとつの写真縦から、白い紙がはみ出しているのに気が付いた。



あたしはそっと、その紙を引き抜いた。



ゴト…―



あたしは力なく床に座り込むと、手鏡を手から離した。



分かってしまったから。




パパの気持ちを…。




どうしても理解出来なかったはずの、向き合えなかったパパの本当の気持ちを…。





「ミア……?」




あたしを呼ぶその声に、ハッとする。




「パパ。」




後ろに立っていたのは、パパだった。



< 42 / 48 >

この作品をシェア

pagetop