わがままペット?〜あたしの飼い方。
ふと、あたしは鞄の中から手鏡を出した。
「ふう。」
ひとつ呼吸を置いて、あたしは手鏡を覗き込んだ。
うそ…
じゃなかった。
自分でもびっくりするほど似てた。
ママとあたし、やっぱり親子だ。
少し釣り目の感じも、小振りな鼻も、下唇の厚さまでそっくり。
でも、どうして?ママに似てるあたしの顔をパパ見ないの?
ひとつの写真縦から、白い紙がはみ出しているのに気が付いた。
あたしはそっと、その紙を引き抜いた。
ゴト…―
あたしは力なく床に座り込むと、手鏡を手から離した。
分かってしまったから。
パパの気持ちを…。
どうしても理解出来なかったはずの、向き合えなかったパパの本当の気持ちを…。
「ミア……?」
あたしを呼ぶその声に、ハッとする。
「パパ。」
後ろに立っていたのは、パパだった。