わがままペット?〜あたしの飼い方。
……なぜここでパパがセイチャンの名前を出す?
セイチャン………
「「あー!!」」
あたしとパパは同時にソファーから飛び上がった。
さすが親子♪
っじゃなくて!
まだ車で外にいるかな?
もう帰っちゃったかな?
あたしは玄関へ急いだ。
その後ろをパパが追い掛けてくる。
「さっき運転席に居たの清次郎だよな?」
「ちょ…なんでパパまで来んの??」
パパは久しぶりはにかんだ。
「後でゆっくり話すよ。」
何年ぶりかのパパの優しい笑顔を横目に、あたしも思わず顔がゆるんだ。
ガチャンッ―
バタバタッ―
勢い良く路地に出たあたし達の目に映るのは…
夕日に照らされ、ほんのり赤く見える一台のシルバーの車。
その愛車にもたれかかる、満面の笑みを浮かべたセイチャンだった…。
まるで…
あたし達二人が、誤解を解いて揃って出てくることを分かっていたかのような、満足気な顔をしてる。
セイチャン、あなた何者なの?