わがままペット?〜あたしの飼い方。
暗くなった部屋で、セイチャンが話し始めた。
「ミアチャン、オーナーと玲さん元気?」
「………元気…だよ。パパはね。」
「え?玲さんは?」
セイチャンはガバッと起き上がった。
「ママはね、4年前に亡くなったよ。セイチャンは知らなかったよね、ママの病気の事…。」
あんまり話したくなかった。
でも、聞かれたのに黙ってる事も出来なかった。
「そおか…。辛かったな。玲さん、めっちゃ優しい人やった。」
セイチャンは、またあたしの頭を撫でる。
「うん。でも今はもう大丈夫だよ。ありがとね。」
セイチャンは、それ以上何も聞かなかった。
あたしがどうして家に帰りたくないのかも。
ただ、黙って私を両腕で包むように眠ってくれた。
背の高いセイチャンの体に、すっぽり入るコノ感じ。
あったかい。
5年前には想像も出来なかった。
まさかセイチャンとこうして一緒に寝るなんて。
セイチャンと一緒のシャンプーの匂い。
目を瞑るセイチャンの寝顔は、すごく綺麗でナゼか可愛かった。
あたしのさっきまでの緊張はどこかへ行ったみたい。
安心しきって、いつのまにか眠っていた。
コノ気持ちは、なんだろう。