僕と平安貴族の五日間
あれ、マキだよね?
僕は、タケル。
普通の大学2年生だ。
中肉中背。
顔も中の中。
今、彼女はいない。
バイトは居酒屋で、毎晩ゲロ掃除をしている。
一人暮らしで、っても、実家は神奈川のど田舎。
通えるっちゃ、通えるけど、
長時間の電車とか、無理。
家は昔からの大きな農家で、
金はそこそこあるから。
って、そーじゃなくて、
僕は3限のゼミ、
『平安貴族の雅な恋愛事情について』
という、ふざけたネーミングのレポートを
女友達のマキにつき返そうと、
大学の構内を走り回っていた。
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